「コミュニティーってなーに?面倒くさそう!」 そんなカタイ頭を柔らかくするコムらぼゼミナール。人生の大半をすごすことになるサイトシティを、より魅力的な街にするために、みなさんのコミュニティーイメージを10倍拡げるゼミのはじまりです。

 第10回 共用施設にも歴史あり その1

入居まであと2ヶ月をきりましたね。本ゼミナールも残すところ2回となりました。そこで今回と最終回は、大規模マンションならではの魅力であり、かつコミュニティー活動の舞台ともなる共用施設についてお話です。

昔からマンションには、戸建て住宅にはない共同住宅ならではの空間として、<集会室>と呼ばれる共用スペースが作られてきました。日本初の本格的な集合住宅といわれる「同潤会アパートメント」には、共用の社交場や食堂などが作られたそうです。

しかし、当時の精鋭の建築家たちが設計に携わった同潤会アパートメントは特別の存在で、その後建設されたほとんどのマンションには、1住戸程度の広さのある集会所が作られる程度にとどまります。しかも、作ったはいいものの、居住者になかなか使われない時代が永くつづきました。

同潤会江戸川アパートメント社交室 同アパートメントで開催されたバレエ発表会

 考えられる理由はいくつか挙げられます。
「マンションに初めて暮らす人ばかりだったので、共用施設を活用する生活習慣がなかった」「共用施設といっても単なる空間があるだけで、わざわざ共用施設を使わなくても自分の居室で十分事足りた」「メンテナンスが大変だからという理由で、個人では利用しにくい管理規約をつくっていた」「日照がまったくなかったり、湿気が多かったりと、居室に出来ない場所を集会室にしていたので、使う気になれなかった」等。

こういった共用施設が作られてきた背景には、マンションを設計する側の不勉強もありました。とはいえ設計者を責めるのもかわいそう。なぜならば、戦後の住宅不足を解消するためにニュータウンにマンションが建設されてからまだ30数年。つい最近まで、設計者といえども居住空間以外に共用施設のある生活をイメージできなくても仕方のない時代だったのです。

今日のような共用施設が見られ始めたのは、いわゆるバブル時代。<億ション>が当たり前の時代に、マンションの豪華さのシンボルとして共用施設が作られてきました。スカイラウンジやプール、フィットネスジム、数千万円のキッチンを設置されたパーティールーム。考えられる様々な共用施設が生まれました。一見、バブル期の共用施設は、以前の「単なる集会室」から、大きく進歩したように見えますが、「使うため」というよりも、「マンションの見栄え」のために作られてきましたので、利用者数は依然とほとんど変わらない状況でした。

ホテルの宴会場のようなパーティールーム なんとマンション内にCATVの放送局が…

 

さて、バブル崩壊後、マンションコミュニティーへの注目度が高まるのと並行して、共用施設のあり方にも変化が見られ始めました。使われることを前提とした設計、コミュニティーの育成を目的とした設計、子育てを応援する設計、などテーマをもった共用施設の登場です。川崎サイトシティで計画されている共用施設も、どれもテーマをもった設計がなされています。そのテーマは次回ご紹介したいと思います。

また、年明けの1月20日に、共用施設の内覧会が予定されています。当日は、施設の特徴を皆さんに知っていただくためのセミナーやイベントも企画されています。 共用施設は個人でも利用でき、コミュニティーでも利用できる施設です。共用施設をうまく利用して、生活のフィールドを拡げてみて下さいね。

 

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